猫をモチーフにしたファッションブランドは、想像以上に多く、そして深いです。ストリートの反骨精神を象徴するRIPNDIPの白猫から、GUCCIのミスティックキャットが宿るランウェイまで。猫はいま、ファッションのあらゆるレイヤーに棲みついています。
この記事では、ストリート、モード、ハイブランド、国内ブランドの4つの軸から、猫モチーフを掲げるファッションブランド13選を紹介します。「猫好きだけどファンシーは嫌だ」「さりげなく猫を纏いたい」という方に、きっと合う一着が見つかるはずです。
ストリート系── 猫がカウンターカルチャーになるとき
ストリートウェアにおける猫モチーフは、「かわいい」とは真逆のベクトルで機能しています。皮肉、ユーモア、反骨。猫というモチーフが持つ自由さと気まぐれさが、ストリートカルチャーと共鳴しているのです。
1. RIPNDIP(リップンディップ)── 中指を立てる白猫の衝撃
2009年、フロリダ州オーランドでスケーターのライアン・オコナーが立ち上げたRIPNDIPは、猫をストリートウェアに定着させた最大の功労者です。マスコットキャラクター「Lord Nermal(ロード・ナーマル)」は、胸ポケットから中指を立てて顔を出す白猫。このアイロニーとユーモアが世界中のスケーターに刺さりました。
2025年にはPUMAとの大型コラボレーション第2弾が実現し、Suede XLベースのスニーカーにPUMAのリーピングキャットとLord Nermalが共演する”猫×猫”コラボが話題になっています。Tシャツ、フーディ、バックパックまで幅広いラインナップで、猫を着る入門として最も間口が広いブランドです。
関連記事:RIPNDIPの中指猫が世界を制した理由。ストリート×猫の最強ブランド
2. GOLF WANG(ゴルフ ワン)── タイラー・ザ・クリエイターの猫偏愛
Odd Futureのタイラー・ザ・クリエイターが手がけるGOLF WANGは、彼自身の猫好きが反映されたアイテムを不定期でドロップしています。パステルカラーの猫グラフィックTシャツやソックスなど、ストリートでありながらどこかポップアートの香りがする独特のテイストが特徴です。限定品が多く、リセール市場でも高値がつきます。
3. Kliban Cat(クリバンキャット)── ヴィンテージストリートの猫アイコン
イラストレーターのバーナード・クリバンが1970年代に生み出した太った縞猫は、Tシャツブームの元祖のひとつです。ハワイのシャツメーカーCrazy Shirtsとコラボした「Kliban Cat Tシャツ」は当時爆発的に売れ、現在はヴィンテージ古着として再評価されています。ストリートカルチャーにおける猫モチーフの原点ともいえる存在です。
モード系── 猫がデザイン言語になるブランド
モードにおける猫は、キャラクターではなくデザイン言語として機能します。シルエット、テクスチャー、アティチュード。猫の持つ「優雅さと不遜さの同居」が、モードの文法と驚くほど相性がいいのです。
4. PAUL & JOE(ポール & ジョー)── パリの猫偏愛ブランド
フランスのデザイナー、ソフィー・メシャリーが1995年に設立したPAUL & JOEは、猫モチーフをブランドのアイデンティティとして確立した先駆者です。アイコンキャラクターの「ヌネット」と「ジプシー」は、デザイナー自身の愛猫がモデル。ウェア、バッグ、コスメラインまで猫が一貫して登場し、「猫好き=PAUL & JOE」という図式がファッション好きの間で定着しています。
特にコスメラインの猫モチーフリップスティックやファンデーションケースは、猫好きへのギフト定番として不動の地位を築いています。
5. Charlotte Olympia(シャーロット オリンピア)── 猫フェイスの靴とバッグ
イギリスのシューズデザイナー、シャーロット・デラルが手がけるこのブランドは、猫の顔をあしらった「Kitty」シリーズで知られています。ベルベット素材のフラットシューズに金糸で刺繍された猫の顔は、モードの世界で「猫=エレガンス」を証明したアイコニックなデザインです。シューズだけでなくハンドバッグやクラッチにも猫モチーフが展開されています。
6. Ne-net / にゃー── 日本モードが生んだ猫キャラクターの伝説
デザイナー高島一精が手がけたNe-netの猫キャラクター「にゃー」は、2007年の誕生以来、ユニセックスなデザインで男女問わずファンを獲得しました。シンプルな黒猫のシルエットは、ストリートともモードとも取れる絶妙なバランス。2020年に事業休止となりましたが、中古市場ではプレミアがつくアイテムもあり、カルチャーとしての影響力は今も健在です。
7. TSUMORI CHISATO(ツモリチサト)── テキスタイルに猫が棲む
デザイナー津森千里によるTSUMORI CHISATOは、猫をテキスタイルの中に自然に溶け込ませるアプローチが特徴です。プリント、刺繍、ジャカード織りなど、さまざまな技法で猫が布地に宿る。主張しすぎない猫モチーフは、「猫を着ているけど猫を着ているように見えない」という理想的なバランスを実現しています。
ハイブランド── ラグジュアリーと猫の交差点
ハイブランドが猫モチーフを採用するとき、それは単なるキャラクターグッズではなく、アートとクラフトマンシップの表現になります。価格帯は上がりますが、「一生モノの猫アイテム」を探している方にはこのレイヤーが最適です。
8. GUCCI(グッチ)── ミスティックキャットの世界
GUCCIの「Mystic Cat(ミスティックキャット)」コレクションは、猫モチーフをハイファッションに持ち込んだ代表例です。GGスプリームキャンバスにミスティックキャットをプリントしたサッチェルバッグ、Rhytonスニーカー、カシミアブレンドのニットまで、カテゴリを横断して猫が登場します。Ace スニーカーの白レザーにさりげなく猫が描かれたモデルは、スニーカーヘッズの間でもコレクターズアイテムとして人気です。
9. LOEWE(ロエベ)── ルイス・ウェインの猫を纏う
スペイン発のラグジュアリーブランドLOEWEは、2026年春夏プレコレクションで、イギリスの猫画家ルイス・ウェインの作品にインスパイアされたコレクションを発表しました。インターシャ、刺繍、プリント、トロンプ・ルイユニットなど、高度な技法で猫のキャラクターをバッグやスモールレザーグッズ、レディ・トゥ・ウェアに落とし込んでいます。アートとファッションの融合という点で、猫モチーフの最高峰のひとつです。
10. Kate Spade(ケイト・スペード)── 猫のチャームが走る
ニューヨーク発のKate Spadeは、猫耳チャーム付きのミニハンドバッグやウォレットなど、遊び心のある猫モチーフアイテムを継続的に展開しています。ハイブランドの中では比較的手が届きやすい価格帯で、「猫モチーフのハイブランド入門」として選ばれることが多いブランドです。SNSでの話題性も高く、新作のたびに早期完売するアイテムもあります。
日本ブランド── 猫文化の本場が生むプロダクト
猫カフェ、猫島、猫の日。猫文化の厚みにおいて日本は世界有数の国です。当然、猫モチーフのブランドも独自の進化を遂げています。
11. SCOPY(スコーピー)── 猫Tシャツ専門の老舗
日本国内で猫Tシャツといえば、SCOPY。猫のTシャツ専門ブランドとして、メンズ・レディース問わず展開しています。「隠れネコ」シリーズのように、さりげなく猫が潜んでいるデザインは、主張が控えめで大人でも手を出しやすい。価格帯も3,000〜4,000円台とリーズナブルで、猫を日常着に取り入れる入門として最適です。
関連記事:ダサくない猫Tシャツだけ集めた。2026年版ベスト10
12. Lisa Larson(リサ・ラーソン)── スウェーデン×日本の猫クロスオーバー
厳密にはスウェーデン発ですが、日本での人気と展開の厚みは本国を凌駕しています。陶芸家リサ・ラーソンが生み出した猫キャラクター「マイキー」は、赤い縞模様のシンプルなフォルムで、テキスタイル、食器、ステーショナリーまで幅広く展開。ユニクロやGUとのコラボTシャツは、猫モチーフを「ファッションの一部」として自然に取り入れるきっかけとして多くの人に機能しました。
13. わちふぃーるど── ダヤンという猫宇宙
革工房からスタートしたわちふぃーるどは、池田あきこが生み出した猫キャラクター「ダヤン」を中心に、独自の世界観を40年以上にわたって構築し続けています。ファッションブランドというよりも「猫を軸にしたライフスタイルブランド」に近い存在ですが、レザーグッズの品質は本物。革小物やバッグは職人の手仕事で、猫モチーフの実用品として高い評価を得ています。
猫ブランドの選び方── スタイル別おすすめ
13ブランドを紹介しましたが、どこから入るかはあなたのスタイル次第です。簡単な指針を整理します。
- ストリート派:RIPNDIP → GOLF WANG → Kliban Cat(ヴィンテージ)
- モード派:PAUL & JOE → Charlotte Olympia → TSUMORI CHISATO
- ハイブランド派:LOEWE → GUCCI → Kate Spade
- 日本ブランド派:SCOPY → Lisa Larson → わちふぃーるど
- メンズで猫を着たい:RIPNDIP → SCOPY → GUCCI
大切なのは、「猫グッズを買う」のではなく「自分のスタイルに合う猫ブランドを選ぶ」という視点です。猫モチーフは、正しいブランドを選べば、ワードローブの格を上げるアイテムになります。
関連記事:男が持ってかっこいい猫グッズ完全ガイド
引用・出典
- PUMA Newsroom「PUMA, RIPNDIP, and Lord Nermal Reignite the Chaos for Drop Two」(2025年)
- LOEWE Official「SS2026 Precollection Inspired by Louis Wain」
- Charlotte Olympia Official「Kitty Collection」
- PETOKOTO「猫モチーフの人気ブランド13選」
- fashionsnap.com「猫好きなら押さえておきたいファッションブランド11選」
- ファッションプレス「ポール & ジョー 猫アイテム特集」
FAQ
Q. 猫モチーフのブランドで、メンズが着ても違和感のないものはどれですか?
最も間口が広いのはRIPNDIPです。スケートブランドとしてメンズを中心に展開しており、Lord NermalのTシャツやフーディは男性のストリートコーデにそのまま馴染みます。モードな方向ならGUCCIのミスティックキャットシリーズ、価格を抑えたいならSCOPYの「隠れネコ」シリーズが、さりげなくて大人の男性にも向いています。
Q. ハイブランドの猫モチーフアイテムを初めて買うなら、どのブランドがおすすめですか?
Kate Spadeが入門として最適です。ハイブランドの中では比較的手が届きやすい価格帯で、猫耳チャーム付きのウォレットやカードケースなど実用的なアイテムが揃っています。よりラグジュアリーな体験を求めるなら、LOEWEの2026年春夏プレコレクション(ルイス・ウェインの猫シリーズ)は、アートとしての価値も高い一生モノになるでしょう。
Q. 猫モチーフのファッションを「子どもっぽく」見せないコツはありますか?
3つのルールがあります。まず「猫の抽象度を上げる」こと。リアルな猫の顔よりもシルエットや部分モチーフ(肉球、猫耳)のほうが洗練されて見えます。次に「素材で格を上げる」こと。同じ猫モチーフでも、レザーやカシミアなど上質な素材に乗ると印象がまったく変わります。最後に「ブランドの文脈で着る」こと。RIPNDIPならストリート、PAUL & JOEならフレンチカジュアルなど、ブランドが持つ文化的背景ごと纏うのが、猫モチーフを大人に着こなすコツです。
まとめ
猫モチーフのファッションブランドは、ストリートのRIPNDIPからハイブランドのLOEWEまで、驚くほど多様なレイヤーに存在しています。重要なのは「猫グッズを買う」ではなく「自分のスタイルに合う猫ブランドを選ぶ」という発想の転換です。正しく選べば、猫モチーフはファッションの格を上げる武器になります。この13ブランドの中から、あなたのワードローブに迎え入れる一着を見つけてみてください。
猫の世界をもっと深く。URAYAMA NO NEKOの最新情報はInstagramで → @urayamanoneko
URAYAMA NO NEKOは、猫カルチャーを発信するブランドです。オリジナルグッズはこちら → SHOP
執筆:URAYAMA NO NEKO / Tetsu Onodera

コメント